産業医科大学
産業医実務研修センター

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自治体への応用―モデル事業を終えて

特定保健指導機関と第三者評価は誰が考えても「すっきりつながる」けれど、自治体に関しては、「?」と思われる場合も多いと思います。自治体が提供する保健サービスに対して第三者評価が行われることは、たとえば国保ヘルスアップ事業の際のように全くなかったわけではありませんが、経験のないことといってよいと思います。

モデル事業を打診した際、いくつかの自治体からお断わりもされました。「評価された結果が外に出るのは困ります」「忙しい」「実施しなければいけない根拠はあるんですか」が三大理由でした。

今回、研究班で実施した自治体に対する第三者評価は、認証を目的にしたものではなく、特定保健指導の質の向上を目指したPDCAサイクルが回ることを目的としたものでした。研究班で作成した認証基準に基づいてはいますが、チェックが目的ではなく、基準を満たしていないとしたら、自治体としてどの部分から取り組んだらよいのかを見つける事を大切にして行いました。

モデル事業を受けていただいた自治体の方からは、「普段、質の事は大事とは思いながらも、業務に追われて考える時間を持つ事ができないでいた。それを考える事ができた」「日常やっている事の意味を振り返る機会になった」「外部の人がくる事で、事務職の人たちの特定保健指導の意識が高まった」などの感想が聞かれました。なお、認証を目的にしていませんので、評価結果は自治体の方と評価者だけが共有しています。

この取り組みが広く自治体で行われるためには、“お断り三大理由”のうちの「実施のための根拠」(指針等)のほか、評価員を誰がするのかの課題が残っています。ただ、第三者評価を受ける事が、契約等につながるサービス事業者とは違い、自治体には受けたからといって目に見える便益が生じるわけではありません。指針等により「ねばならないからやる」ことが成果につながるのかは疑問が残る点でもあります。今回のモデル自治体は「質の向上につながる事であればやってみよう」という姿勢の自治体であったことが、モデル事業の成果につながる大きな要因であったと考えています。

気持ちはあるけれど、どこから取りかかればよいかを悩んでいる自治体の方に、この取り組みを知っていただければと思っているところです。

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