事業場B
事業場B
1)医師と保健師の連携
産業医契約先事業場は、産業医と担当保健師がペアで担当しており、事業場では訪問時にも同行して行くのが基本となっている。
①健診結果も保健師がスクーリングしたうえで産業医に伝達し、健診後の事後措置(胸部エックス線検査など画像検査の受診干渉、血圧・心電図・血液検査などの緊急連絡、健康相談、就業区分の決定等)を行っている。②保健師は事業場の担当者との窓口となり、産業医訪問や産業医による面接の日程調整も行っている。③過重労働に従事した従業員に対する医師の面接指導、メンタルヘルス不調者の面接、疾病休業者の復職面談等も基本的に医師・保健師が同席している。④特に過重労働従事者面接は該当者が多いため面接結果報告書は保健師が作成し、医師が確認する形態をとっている。
今後は法定の月100時間未満の従業員に対する過重労働面接は保健師がスクリナーとして行う、全衛連が行うメンタルヘルスチェックサービスの面接の実施者として行う。など医師との業務分担を図っていきたい
2)業務部(営業担当)と保健師の連携
新規健康診断契約先や産業看護職がいる事業場では、保健師が業務部営業担当者と同行して営業を行っている。また講演やセミナーなどの事業も営業担当と共同で集客活動および実施運営者として行っている。今後は産業保健の専門家として保健師が営業活動を行う価値が高まるものと思われる。
3)医師・保健師と管理栄養士の連携
管理栄養士は、特定保健指導(動機付け、積極的支援)の実施者、健康診断時の栄養相談、外来受診者(糖尿病等)の栄養指導、健康講演などを医師・保健師と連携して行っている。医師が産業医契約先の事業場に栄養相談を提案し、契約が結ばれるケースもある。
4)業務部(営業担当)及び医師と作業環境測定士の連携
健康診断契約申し込みの際に、作業環境測定の申し込みもできるようになっている。また医師が産業医契約先事業場に訪問時の職場巡視の際に作業環境測定の測定を指導し紹介するケースがある。
5)医師と看護師、放射線技師、臨床検査技師の連携
労働衛生機関として各種健康診断の実施の際に巡回健康診断及び施設型健康診断の実施に際して連携して行っている。
6)まとめ
労働衛生機関は各職種が連携して、産業保健サービスを提供することによって、顧客先に望まれる質の向上が可能になるものと思われる。また特に保健師は産業医の補完的役割を果たすことが可能であり、今後はその活動分野を広げることが重要になってくると考える。