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 腰痛 について

   巡回健診を実施するにあたって、健診スタッフは重量物の運搬や中腰姿勢、また長距離の車両運転などにより腰痛を引き起こす可能性があります。

<考えられる問題発生事例と対策>


 1. 巡回健診現場には、スタッフが防音ボックスや眼底カメラ、視力計など重量物を搬入、設置したり、さまざまな物品を多数の携帯ケースに入れて搬入します。重量物取扱い作業として腰痛対策が必要です。


 ・ 対策〜防音ボックスや眼底カメラなど重量物の移動には台車を使用するようにします。重量物のケースに台車をつけておくのも一つの方法です。しかし、眼底カメラなど精密機械は振動で故障を起こす可能性もありますので地面が平らでないようなところでは二人以上のスタッフで運びます。その際、各々のスタッフに重量が均一にかかるように注意しましょう。物品の入った携帯ケースも一個10Kgを越すような重いものもあります。一人で無理にいくつも同時に運ぼうとせずに一個ずつ運びましょう。無理に一度にいくつものケースを運んだため、ケースをドアにぶつけてドアを破損した例もあります。
 

 2. 身体計測や検尿の担当スタッフは長時間立ちっぱなしで作業をすることがあります。立ち作業が長時間継続すると腰に負担がかかり腰痛の原因となります。
 

 ・ 対策〜立ち作業が長時間継続する可能性があるセクションには近くに椅子を設置して腰掛けて小休止を取れるようにします。おおむね一時間に1,2回程度小休止を取って下肢の屈伸運動などを行わせると良いでしょう。
 

 3. 採血担当スタッフや血圧測定担当スタッフなど、長時間腰掛け作業を行うことがあり、腰痛の原因となります。
・ 対策〜椅子はなるべく背もたれのあるものを使用するようにします。また椅子座位においては長時間同一姿勢をとらないようにすることが大事です。適宜、小休止をとり立位になり関節を動かす動作をしましょう。
 

 4. 巡回健診において長距離の車両移動により、運転手や同乗者に腰痛を引き起こす可能性があります。
  ・ 対策〜車両からの振動をなるべく減衰させる構造の座席を有する車両を採用しましょう。そのような車両を採用できない場合には、クッションなどを用いて振動の軽減に努めましょう。車両による移動が長時間になる場合には適宜休憩をとるようにしましょう(一時間に一回程度)。休憩の際は、車両から降りて背伸び等の軽い運動をして、筋収縮による疲労の回復に努めます。
* スタッフに腰痛予防のための労働衛生教育を行いましょう。
 

 ・ 腰痛に関する知識
 ・ 重量物取り扱い時の作業姿勢・動作について。作業の仕方についてのマニュアル(作業標準)策定。
 ・ 小休止のとり方についての。小休止時の疲労回復のための運動、腰痛予防体操の知識に関して。