事業場A

事業場A

 事業場Aは、産業医中心に業務する医師を複数抱えるユニークな労働衛生機関であるが、以前は個々の医師が別部門に所属しているため産業医間の連携や情報共有などが不十分であることが課題だった。これらの医師を一つの部署に集約し、定例の産業医勉強会や指導医との事業場共同担当などによる産業医としての資質向上の試みを立ち上げることで問題を解消することが出来た。今後はツールの共有の強化や新サービスの開発により産業保健の向上に貢献したいと考えている。産業医の確保は慢性的に困難な状況が続いているが、近年、保健会では他科の専門医や育児中の若手女性医師などがパートタイムで産業医修練を希望するケースに注目し、内部の医師と同様の修練の場を提供している。その熱心な姿勢は将来の活躍に期待を抱かせるものであり、専門性のある産業医の新たな供給源になるのではないかと考えている。

他職種の中で、産業医と最も連携が必要なのは産業看護職である。企業の健康管理室を産業医・産業看護職の共同で担当する機会を利用し、職場巡視や各種面談、安全衛生委員会での講話、健診事後措置など様々な業務において連携を図り、産業保健活動の向上や効率化につなげている。また看護職の学会発表や論文作成の支援も積極的に行い、そのレベルアップに結び付けている。

また作業環境測定士とは、作業環境測定結果に基づく改善提案の議論、事業場からの有害物への問い合わせへの対処についての相談などにおいて連携を取っている。

渉外職は産業医活動が低調な企業からの相談の受け皿となっており、彼らから産業医に対して様々な産業保健関連の問題についての相談が持ちかけられ、適宜対処している。

なお平成18、21年度には産業医科大学産業医実務研修センターと共同で実施した労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)導入支援事業においては産業医、作業環境測定士、渉外職が関与しており、参加事業場から好評を博している。

保健会は、昨年から多職種(産業医、産業看護職、管理栄養士、トレーナー、作業環境測定士、渉外職など)の定例ミーティングを立ち上げ、相互理解の深まりにより労働衛生機関の様々なサービスを関連付けることで企業の産業保健レベル向上につながるよう努めている。今後、このミーティングを発展させ、さらなる連携強化により保健会の強みとなる新サービスが構築されることを期待している。

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