巡回健診においても、感染性物質が発生するため、その取り扱い、管理、廃棄、事故の時の対応のルールが必要です。
1. 発生源
生体から発生した、試料そのもの、もしくは、試料採取ための使用した器具などや、廃棄物などを指します。
採取もしくは提出された生体試料; 血液、便、尿、喀痰 など
採取の際に使用した器具など; 採血管、注射針・採血針、検尿コップ、
消毒などに使用したアルコール綿花、止血などに使用した絆創膏、など
生体資料の付着した白衣やテーブル、採血針などの廃棄ボックスなども指し
ます。
2. 廃棄物の処理の方法
@ 会場の整理整頓
特に便や喀痰の提出物を受け取る場合の受け取り方、保管場所、
採血箇所での十分な広さの確保などを念頭に置き整理された会場を
確保できるようにしましょう。また、終了後の整頓も重要です。
A 分別収集
感染性物質とそれ以外の廃棄物の分別収集・保管を行いましょう。
B 廃棄物の収集のための容器への収納
破損しにくい密閉容器を準備し、廃棄するようにしましょう。
C 表示
容器への表示と、所内の所定位置へ保管を行いましょう。
D 廃棄物の処理委託と記録の管理
1>
感染性廃棄物は運搬と処理の委託が必要なので、適切な処理が行える業者との契約を結び、保管場所、運搬、処理について確認しておきましょう。
2> マニフェストの保管が必要なので担当者が確実の保管しておく必要があります。
3. 教育と周知
1> 新任者、および担当従事者への定期的な教育を行い、ルールを徹底しましょう。
2>
日頃から担当者が現場での発生状況とその管理状況、巡回先からの持ち帰りのための保管・管理状況をチェックし、問題があれば指導しましょう。
4. 感染予防・感染事故発生時の措置
処理や管理が適切に行われていても不測の事態で、受診者や従事者が病原体に暴露される可能性は皆無とはいえません。
1>
事故により感染したと思われる受診者もしくは従事者への相談・対応体制を日頃から整えましょう。事故発生時の連絡ルートの 確立が必要です。予防接種として、B型肝炎のワクチン摂取状況については、担当者が把握できるようにしておきましょう。
2>
事故発生時には暴露した試料などについて、感染症の有無を確認しましょう。事故発生の経緯や内容について記録するようにしましょう。
※HIVに関する事故の場合については、細心の注意が必要です。
感染源試料の元となる受診者への検査了解を得る事、
本人への通知と必要な医学的な措置・説明、が必要になると思われます。
3> 必要な医学的措置などについて
B型肝炎のワクチン接種や抗HIV剤の投与などが可能な医療機関との連携を整えておく必要があります。
4> 会場の整理・清潔確保
容器の破損など含め会場が汚染されている場合の消毒・清拭処置、または、汚染された物質の取り扱いや持ち帰り方にも注意が必要です。
5> 再発防止措置を講じる
経過を関係部署で検討し、防止策について実施します。
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