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 緊急時対応・外傷対応

   救急対応システム

 

方針:

 

 営業時間内に、起きる可能性のある医学的緊急事態を想定し、最低限度の対応する範囲を明確に定め、その発生に備え、日ごろから訓練を行う。また、職員に同様の緊急事態が発生した場合も、これに準じて対応する。但し、交通事故・災害時の対応については、外傷対応プロトコールでの対応とする。

 救急対応システムは、安全衛生委員会により承認を得て発効し、また、その見直しが行われる。このために必要な経費は施設長の決済を受け、担当部署から支出するものとする。

 

目標:

 

1)医学的緊急事態の明確化

 危険予知を行い、医学的緊急事態を明確にし、文書化する。

2)備品の整備

 明確になった事態に対して、対応するための備品を整備し、管理手順を作成する。

3)対応の統一

 明確になった事態に対して、対応を全職員で標準化するため、手順書を作成する。

4)訓練

 手順を徹底するため、全職員で訓練し、記録を行う。

5)見直し

 訓練後、手順の見直しを行い、システムに改善を加える。

 

規定:

 

1)緊急事態の想定

 全職員において、危険予知を行い、以下のレベル別に緊急事態を想定する。新たに生じた事態に対しては、その都度、緊急対応レベルを決定する。

 

レベル1

生命には危険がない

採血部位腫脹・迷走神経反射・胃透視後腹痛・転倒・神経損傷・偶発性動脈血採血・妊娠中の被爆など

 

レベル2

生命に危険が及ぶ可能性がある

 

A

高血圧緊急症・胸痛・低血糖など

B

転落・胃透視後排便困難・検査異常値など

C

感染症判明

D

針刺し事故

レベル3

生命に危険がある

アナフィラキシー・痙攣など

 

レベル4

生命にかなりの危険がある

心肺停止

 

         

*検査異常値、針刺し事故については、個別の対応マニュアルあり

2)備品の整備

巡回健診においては各クルーに1セット準備する。備品の確認は毎月1回行い、安全衛生委員会に報告する。内容の詳細は救急備品リストを参照する。

 

               例)

 

品名

仕様

数量

使用期限

備考

 

<クリアボックス>

 

 

 

 

 

ピンク針

18G

5

2006.11

 

 

テルモシリンジ

5ml

2

2004.1

 

 

ニトロペン

0.3mg

30

2005.5

 

 

アダラート10

10mg

40

2006.4

 

 

メディジェクトG50

20ml

4

2007.3

 

 

セルシン

10mg

4

2005.6

 

 

テルモ生食

500ml

2

2005.1

 

 

駆血帯

ゴム製

1

 

 

 

サーフロー静脈留置針

20G

6

2009.4

 

 

ディスポーザブル輸液用点滴セット

 

2

2007.1

 

 

サフィード延長チューブ

50cm

2

2009.4

 

 

トップ三方活栓

 

4

2005.5

 

 

水銀血圧計

 

1

 

 

 

絆創膏

 

6

 

 

 

点滴針固定用テープ

 

1

 

 

 

手袋

M

2

 

 

 

 

L

1

 

 

 

<オレンジバッグ>

 

 

 

 

 

エピクイック

1mg

7

2007.2

 

 

アトクイック

0.5mg

8

2007.1

 

 

リドクイック

100mg

4

2007.2

 

 

ハサミ

 

1

 

 

 

エアウェイ

大中小

3

 

 

 

聴診器

 

1

 

 

 

バッグバルブマスク

 

1

 

 

 

酸素用延長チューブ

 

1

 

 

 

吸引チューブ

 

2

 

 

 

吸引器

 

1

 

 

 

<その他>

 

 

 

 

 

AED

 

1

 

レンタル

 

 

3)緊急事態対応

緊急対応情報は毎月1回集計し、安全衛生委員会に報告する。

4)訓練

訓練は年間計画で策定され、訓練の結果は、安全衛生委員会に報告する。

5)見直し

各訓練後に見直しを行う。

システムの見直しは安全衛生委員会において承認を受ける。

 

外傷時対応:救急対応システム外傷プロトコール

 

はじめに

交通事故、災害の発生時には、救急システム外傷プロトコールを発動する。対象はスタッフとお客様であるが、緊急事態のため、区分が明確にできない場合がある。特に、巡回先での災害の場合、施設長からの指示を受けて活動ができるようになるまでの限定的な活動にとどめる。

また、外傷・災害救護活動は、JPTEC(病院前外傷教育プログラム)に準拠して行う。

 

対応手順

基本事項

@     助かった人はまず集合し、消火班と救護班に速やかに振り分けを行う。

A     傷病者を集める位置を軽症者から重症まで3段階程度に早急に決定する。

B     中等症と重傷者を分けるための医師による評価ゾーンを決定する。

C     実際の救護活動は必ず3人以上のチーム(1人は事務系職員)で行うこと。

D     自ら安全を確認し、2次災害を防止することを常に意識して活動する。

 

1)    状況評価

(ア)   被災者は何名か

(イ)   救急要請は行ったか

(ウ)   警察への連絡を行ったか

(エ)  化学薬品、放射性物質等の危険はないか

(オ)  施設長への連絡は行ったか

 

2)    傷病者の初期評価

 

頚椎保護

傷病者を発見したら、あらゆる観察を行う前に、まず頚椎の保護を行う。

体が不安定なときには、背部に入れる戸板を差し入れる。

気道開通と意識レベル評価

呼びかけに反応して声を出せるか、痛み刺激を与えると眼を開けるか。

呼吸評価

気道確保は下顎挙上法で行う。呼吸運動を、見て、聞いて、感じて把握する。呼吸が速かったり、浅かったり、異常な呼吸をしていないか。

循環評価

櫈骨動脈を触れるか、手のひらが湿っていないか、青白くないか。

つめを圧迫して離したときに、色調は2秒以内で元に戻るか。

 

3)    トリアージ(重症度分類)

 

実際の対応

出血

感染の危険も考え、できるだけ本人に圧迫させる

ビニル袋を手袋代わりにして、傷を直接触れない

熱傷

池の水でも構わないので、とにかくすぐに水をかけて十分に冷やす

衣服を無理にはがさずに、上からそのまま水をかけて構わない

骨折

関節の変形は脱臼の可能性もあるため、特に下肢についてはそのままで

添え木や毛布などで固定する。特に、飛び出している骨を戻さないこと。